折原製作所のホームページ
ホームトピックス製品情報インデックス会社案内リクルートお問合せサイトマップ

製品情報 >  Michi-製品化への道- >  Michi-製品化への道-バックナンバー

製品化への道

このページでは、製品化へのヒントや、製品になるまでの裏話など、オリハラ製品にまつわるお話を掲載しています。第6章は画期的新商品が開発されるまでの経緯その2」です。


都議会議場で流された節水用「消音器」の音!?

 昭和54年夏、東京は異常渇水に見舞われた。空梅雨で水源地に雨が降らず、給水制限が行われるまでになった。
 その騒ぎの中、折原はふと気づいた。
「女性がトイレに入るたびに無駄に流している大量の水を回したら、炊事用の水のピンチなんて簡単に解消できるじゃないか」

 では、その水をどうやって回せばいいか。
「このテープレコーダーを使うんだ。あらゆる女性用トイレにこれを取り付けて、水の代用音を流すんだ!」
 もしそうなれば、水や風の音を録音したエンドレステープつきのテレコには、膨大な需要が待っていることになる。
「すごい!こいつはすごいアイディアだぞ」
 興奮した折原は、知り合いの都会議員のとことに駆け込んだ。
「先生、これを都庁で採用してもらって下さい。これで給水制限なんて、いっぺんに解消です。」
 都議は感心し、都の水道局長のところへ試作品を持っていった。女性は毎度3回水を流し、1回ごとに15リットルが無駄になっている、と聞いて、水道局長も関心を示した。

 しばらくして開かれた都議会の予算特別委員会で、
「都は、どのような節水方法を考えているか」と質問された水道局長は、いくつかの具体案を示した中で、折原のテレコを片手に答えた。
「こういう消音器も考案されております」
議場には笑声が湧き、声が飛んだ。
「どんな音か、聞かせてもらいたい」
 水道局長はボリュームをいっぱいにあげ、テープを回した。議場に水洗の音がとどろいたのは最初で、おそらく最後だろう。

 傍聴していた新聞記者も面白がって、これを記事にした。それを読みながら、折原はほく笑んだ。苦肉の策の音を出すための器具が消音器になったのだ。
 大量注文が舞込むかもしれない。エンドレステープを増産しなければならない・・・。
 しかし、夢はあっけなくしぼんだ。まもなく雨が降り、給水制限も解除されてしまったのだ。一台も注文はなかった。
 それでもこの出来事は、大きな教訓を折原に残した。

 じつは渇水騒ぎのさなか、大手メーカーは「千歳一隅のチャンス」とばかり、節水型タンクの売込みに熱中していた。従来の1回あたり15リットル前後から10リットル以下に流水量を減らした新タイプだ。

 だが、渇水だからといって、せっかく使えるタンクをわざわざ別のものに代えようと思う家庭や企業はない。そんなことに高いお金をかける人はいないものなのだ。
 わずかに節水型は、これから水洗にする人たちの間で関心が持たれただけだった。
「コストがかかる設備を、そっくり代えるというのは駄目だ。そこへいくと、テレコのように簡便なものは、都議さんも都庁さんも注目してくれた。こいつのコストをもっと下げれば、きっといける。」
そう思った。 

次章は『画期的新商品が開発されるまでの経緯その3』です。

ページの先頭へ

<< 第5章 戻る 第7章 >>

(C) Orihara Manufacturing Co., LTD.  All Rights Reserved.
株式会社 折原製作所  〒116-0013 東京都荒川区西日暮里1-3-3 電話 03-3805-0101